在宅での最期を支える:当院の在宅緩和ケアへの思い

こんにちは、HPをご覧いただきありがとうございます。
2025年1月から当院は、在宅緩和ケア充実診療所としての申請が受理されました。

【在宅緩和ケア充実診療所】の基準

以下の基準を満たす診療所として認定されています:

  1. 機能強化型の在宅療養支援診療所(※)であること
  2. 過去1年間において、緊急往診が15件以上、かつ在宅看取りが20件以上実施されていること
  3. 緩和ケア病棟または在宅での看取り実績が10件以上ある医療機関で、3か月以上勤務経験を有する常勤医師がいること
  4. 過去1年間において、医療用麻薬の点滴投与を2件以上実施していること
  5. がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の指針に準拠した研修を修了した常勤医師がいること

※当院は「訪問診療クリニック笑顔」および医療法人医集会「訪問診療りんごの木クリニック」と機能強化連携を行っています。

緩和ケアの実績

これまで当院では、がん、老衰、心不全をはじめとした多くの慢性疾患をお持ちの患者様を担当してまいりました。その中で感じるのは、ほとんどの患者様が自宅で最期を迎えることが可能であるということです。しかし、自宅で最期を迎えるイメージを持っていない患者様やご家族様も多くいらっしゃるのが現状です。

在宅療養と入院の違い

さまざまな観点での違いがありますが、特に大きな違いの一つとして、「体調が悪くなったときにすぐ対応してもらえるか?」という点が挙げられます。

入院では、体調が悪化した際に看護師がすぐ気付き、医師が治療を始めるという迅速な対応が可能です。

一方で、在宅療養では、あらかじめ想定される体調変化に対するお薬を準備し、医師の指示のもと家族や訪問看護師が対応する形をとっています。それでも苦痛が取れない場合には点滴などを行いますが、準備に数時間かかることもあります。

在宅療養の魅力

しかし、体調が安定しているときには、自宅でご家族と過ごす時間を大切にしたいと思う方が多いのではないでしょうか。

  • 家族や親戚、友人とたくさん話をする
  • 好きな食べ物や飲み物を楽しむ
  • 自分のペースでテレビを観る
  • 生前整理をする。
  • アルバムを見返したりする
  • すきなだけ夜更かしをする

このように、在宅療養には病院では得られない安心感と自由さがあります。

当院の役割と対応

我々の役割は、急な体調変化が生じた際にいかに迅速に対応できるかということです。

痛みに対して

痛みが生じた場合、医療用麻薬の内服薬や坐薬をあらかじめ処方しているため、電話での指示で速やかに対応できます。それでも不十分な場合には、医療用麻薬の持続点滴を準備します。当院では、早ければ1時間以内、夜間や休日でも3時間以内に点滴を開始し、痛みを和らげることが可能です。

呼吸苦に対して

呼吸が苦しい場合には、酸素療法の手配を行い、1–2時間以内に酸素投与を開始します。また、必要に応じて呼吸を楽にする薬を使用します。

在宅で行える処置

当院では、入院中の病室で行えるような処置は対応が可能です。
輸血、胸水ドレナージ、腹水ドレナージ(CART)、中心静脈カテーテル留置、注射、点滴、褥瘡処置、皮膚縫合、抜糸、など。患者さんの状態に応じて、必要な処置は最大限対応できるように準備をしています。

どうしても苦痛が取れない場合

鎮静を使用することで、苦痛を和らげる対応も行っています。
内服・坐薬・点滴を使用することができます。
クリニックでの対応が困難と判断した場合には、入院調整を行うことがあります。

チームで支える在宅療養

当院でこのような対応が可能であるのは、ケアマネージャー、訪問看護師、訪問薬剤師、医療機器メーカー、連携医療機関といった多職種の方々が一生懸命支えてくださっているからです。

手稲区には、患者様に寄り添いながら真摯に取り組むチームが存在します。

在宅療養に不安がある方も、ぜひご相談してください。不安を解消し、在宅療養の希望を叶えるためにチームでサポートいたします。

最後に

在宅緩和ケア充実診療所として認定されたことで、より一層の責任と使命を果たしてまいります。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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